鉄とは
鉄と言えば栄養素の基本中の基本ですよね。
「鉄分を摂る」という言葉はほとんどの人がプラスのイメージでとるでしょう。
しかしその具体的な働きを聞かれると意外と答えられない人は多いのではないでしょうか。
「貧血気味の人は鉄分不足」そのくらいのイメージはあるかもしれませんが、
鉄分が十分足りていても貧血は起こります。
今回は鉄分のおさらいから、ビタミンとの関係や「ヘム鉄」との違い、一緒に摂るべき成分等を解説していこうと思います。
作者である私はサプリメントの製造者です。 レシピの設計から販売まで全て行います。 他業界から来た分、この業界の闇を感じる 部分があり正しい情報の発信者になる事を 決めました。サプリメント製造の為に得た 専門知識を元に正直ベースで解説します。

それではよろしくお願いいたします。
まずは鉄について簡単におさらいしていきますよ。まず鉄とはミネラルの一種です。
こんな初歩的な質問があるかもしれません。
Q 金属の鉄と鉄分は一緒なの?
はい一緒です。鉄は金属です。
つまり我々は金属を口から摂取しているという事です。
これは鉄に限った事ではありません。ミネラル全般が金属です。
というよりもっと広い意味で「鉱物」です。
「ミネラル」と聞くと何となく身体に必要な栄養素!って感じですが、
ミネラルの語源は「mine」=鉱物です。

マインクラフトとかのmineですね!あれも鉱物を削ってモノを作っていくゲームですもんね。
つまりミネラルとは鉱物の事を指します。
人間の体は意外と鉱物を取り入れないと上手く機能しないように出来ているんですよね。
少し意外ですよね。しかし、代表的なミネラルを見てみると
「カルシウム」「マグネシウム」「鉄」「亜鉛」「銅」
「マンガン」「コバルト」「クロム」
といった固そうな鉱物っぽいものばかりですよね。
このミネラルの基本をおさえた上で今度は「鉄」に話を戻しましょう。鉄は貧血に良いとされます。何故なら鉄は「赤血球」を作る材料になるからです。
赤血球と酸素
私たちは口や鼻から酸素を取り入れています。身体に入ってきた酸素は全身に運ばれる必要があります。では誰が酸素を全身に運んでくれるのでしょうか?
それが「赤血球」です。赤血球は血液の中に存在して酸素を運んでくれます。
身体のシステムとクロネコヤマト
この血液の循環はよく「運送会社」に例えられます。
血液の中には赤血球があり、酸素を運んでくれますがそれにはヘモグロビンという存在が必要になります。
血液が血管を通って、身体の様々な場所に酸素を届けるには赤血球とヘモグロビンの存在が不可欠なんです。
これだけ聞くと分かったような分からないような…
少なくとも一発でこれらの役割を覚えるのは難しいですよね。
そこでよく使われる分かりやすい例えが「運送会社さん」なんです。

佐川急便さんとかクロネコヤマトさん、これをイメージして下さい。
あなたの身体は酸素が欲しいのでAmazonで注文しました。

届けてくれるのはクロネコヤマトさんだとしましょう。
彼らはトラックに荷物を載せて配達してくれますよね。
このトラックこそが「赤血球」です。

赤血球は運送用のトラックに例えられます。
そして運ばれる商品、今回で言えば注文したのは酸素なので、トラックの中には酸素という商品が入っているわけです。
では配達してくれるドライバーさんはどうでしょう?
これが「ヘモグロビン」です。

ヘモグロビンという運転手さんが、赤血球というトラックに乗って、酸素という商品を運ぶ、血管という道路を通って。
これが一連の流れとなります。
これらを踏まえた上で、鉄の重要性を考えてみましょう。
鉄はヘモグロビンを作る材料になります。これはめちゃめちゃ重要なんです。
鉄が足りないと何が起こるか想像してみてください。
ヘモグロビン、つまりドライバーさんが不足してしまいます。

せっかくAmazonで注文したのに2週間かかっても自宅に届かない。
トラックはあるんだけど、配達してくれる人がいなくて…といった事が起こります。
注文したのは酸素、めちゃめちゃ重要です。
これが身体の各地で起きてしまうと酸素が足りない状態、貧血の症状を引き起こしてしまいます。
日本の物流は世界でもトップレベルで充実しているので注文すれば明日届く。
なんていうのは当たり前ですよね。しかし、鉄壁に見える日本の物流も災害があれば配送が送れますよね。地震や洪水が影響して何日も注文した商品が届かないなんて事もあります。
これは人間の身体にも起こります。
栄養素が偏ってしまい、しっかりと赤血球とヘモグロビンのバランスを保てないと配送が遅れてしまいます。ヤマトさんや佐川さんに配達してもらえれば安心ですけど、無名な会社の適当な人が大切な商品を雑に配達したら嫌ですよね。

玄関の前にドサッと置いて商品が壊れていたり
もしくはそもそも道に迷って届けられなかったり、こんなことが起こらないように
赤血球とヘモグロビンの質は高くなるようにしっかり鉄分をとりましょう!
あなたの中の物流システムをヤマトさんや佐川さんのような高品質なものにしてあげる事が、後々あなた自身の健康に繋がってきますよ!
鉄とヘム鉄の違い
日常でサプリメント等で目にする機会の多い「鉄」ですが「ヘム鉄」なんていうものもありますよね。ここからは鉄とヘム鉄はどういう違いがあるのかを解説していきます。
「鉄」と「ヘム鉄」これは別物かという事ですが、ずばりこれは別物です。何が違うかと言いますと、カタチが違います。
「ヘム鉄」のほうが色々な分子がくっついていてデカいです。これは覚える必要がありませんが「ポルフィリン」というものに包まれた状態です。

で、ただの鉄と、ポルフィリンにつつまれた鉄であるヘム鉄は何が違うのかというと
吸収率が違います。ヘム鉄の方が5倍から6倍も人体への吸収効率が良いです。
ただでさえ不足しがちなミネラルである鉄を効率よく吸収できるのだからそれはもうヘム鉄の方が良いですよね。
因みにざっくりとした鉄とヘム鉄の簡単な区別の仕方はこんな感じです。
動物のお肉から摂られるのはヘム鉄なんですね。

引用元URL:http://www.ils.co.jp/functionalfoods/product/hemeiron/
何故ヘム鉄は吸収が良いのか
ヘム鉄の方が吸収が良いというのはありがたいですが、何故吸収が良いのかは知っておきたいですよね。
先程「ポルフィリン」に包まれているのがヘム鉄の特徴という話をしましたが、ポルフィリンに包まれていたら何でスムーズに吸収されるのよ…と、疑問が出てきます。
ずばりそれは、「ヘモグロビンに既にカタチが似てるからです!」
鉄はヘモグロビンの材料になります。
鉄がヘモグロビンになるまでにはかなり複雑な工程があるのですが、すご~く省略して言うと、グロビンというたんぱく質とくっついた鉄がヘモグロビンになります!
で、このヘム鉄は、既にポルフィリンに包まれた状態のもので
後は、「グロビンとくっつくだけでヘモグロビンになれるよ~♪」
という状態の成分という事です!既にある程度カタチになっているものなので、体内で吸収されやすいという理屈なんです。

分子が大きいと逆に吸収されにくそうですけど、実際にヘム鉄の方が明らかに吸収率が良い事は多くの研究で明らかになっているようなので、ここは無駄に疑わなくても良いのかなと思います。
という事で、ここまで「鉄」について解説してきました。
とりあえず「ヘム鉄」摂っておけばおけば良さそうだね!という認識でもまぁ間違いではないのですが、安心するにはまだ早いです!
実は貧血を起こした人の中には、鉄分は十分に足りていたのに全く貧血が治らない
という人もいました。
何故かというと「ヘモグロビン」の材料は鉄だけでは無いからです。
鉄は血を作る上でめちゃめちゃ重要な役割を持っているので、
血を造るミネラル=「造血のミネラル」と言われています。
そしてヘモグロビンの材料としてもう一つ必要なものがあります。それがビタミンB12です。
鉄=「造血のミネラル」ですが
ビタミンB12=「造血のビタミン」です。
ビタミンB12に関してはこちらの記事でも解説していますのでどうぞご覧ください。
という事で鉄分は「ヘム鉄」を積極的に摂りながら、出来ればビタミンB12もバランス良く摂取しましょう。
ヘム鉄を多く含む食材はこんな感じです。
・豚レバー
・鶏レバー
・あさり
・しじみ
・カツオ
そしてビタミンB12を多く含む食材はこうです。
- アサリ
- 赤貝
- ホッキ貝
- しじみ
- 牡蠣
- サンマ
- スジコ
- レバー(特にウシ・鶏)
つまりレバーとしじみ等の貝類は貧血対策には持ってこいの食材という事ですね!
両方苦手で食べられない!という方はサプリメントで補いましょう!
ただし、健康の基本は食生活と十分な睡眠です。
サプリを飲んだだけで何かが改善するものでは無いので、まずは生活習慣を見直すというベースの上で、補う意味でサプリメントを利用してあげて下さい。
という事で今回はここまで!
よねきち健康学では普段なかなか知る機会のない栄養成分について分かりやすく解説しています。
説しています。
他にも、サプリ製造者だから分かる製造の裏側についても発信しています。
除菌スプレーが出来るまで その①|商品開発の裏側お見せします
除菌スプレーが出来るまでその②|サイズと容器も超重要|商品開発の裏側
サプリ以外にも健康に関する豆知識も解説しているのでそちらも是非御覧ください。
youtubeでは動画で解説しているので、もっと楽に健康成分について
知っておきたい人はこちらもご覧くださいね!
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